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2008年3月

2008年3月28日 (金)

必見! 小野寺修二×いいむろなおき「XとYのフーガ」

・3月28日、29日(14時、18時)、30日(14時)
・神戸アートビレッジセンター(各線新開地駅、東口から南へ徒歩5分)
・当日3500円(学生2500円)

 マイム作家二人の競作。
 これが、すばらしく面白かった!

 どちらも何となくミステリー仕立てな感じで、わくわくドキドキするつくりになっている。

 出演するダンサー陣に期待して行ったのだが、それはそれで満足できるパフォーマンスだったが、いいむろの赤星マサノリ、小野寺の坂口修一と、いわゆる演劇人が各作品の主役格になっていて、その二人がすばらしかった。

 まず赤星の身体を見たときは、先入観のせいか何かセリフを語りそうな気がしたのだが、あっという間に寡黙であって饒舌な身体であることを理解させてくれた。役者にとってこれらの振付は、物語に沿ったものであっただけに、理解はしやすく、出力に関しても赤星の身体は雄弁であり、必要以上のことは語らなかった。
 山根千佳(TAKE IT EASY!)と足立七瀬(BEA Glide)のデュエットも見ごたえがあった。足立は今回はセーラー服ではなく(笑)、スカートのゆったりしたワンピース、ボーイッシュな印象のある山根が花柄刺繍のブラウスで、そのあたりも面白かったのだが、コンビネーションといいタイミングの取り方といい、いいアンサンブルになっていた。

 小野寺作品は、先月東京で『空白に落ちた男』を観ていたこともあり、非常に楽しみにしていたが、予想以上にスピードとスリルとエンタテインメント性のある、贅沢なもの。
 次の展開が予測できないわけではないのだが、ものすごく驚かされる、といえばいいのか。同じシーンがリワインドされ、また繰り返されるのかなと思っていて、実際そのとおり繰り返されるのだが、それでも驚いてしまうというのは、とても不思議なことだと思う。知っているのにびっくりする、というのは、つまりパフォーマンスのレベルが、尋常ではないということだ。
 超ロングラン公演を行っている坂口の表情が、寡黙でありながら豊かなことを、心底楽しむことができた。身体のキレも、実にすばらしい。
 唯一の女性である藤田桃子(ももこん)のクールで強い存在感には、惚れ惚れする。
 セレノグラフィカの阿比留修一には、ダンス的な見せ場もきっちり与えられ、あっと驚くロケットのような勢いある動きも見せられ、さすがに納得させられた。

 喜ばしいことにKAVC公演では稀なことに、満員の客席。ダンス、演劇関係者や評論家も多く、『空白に落ちた男』のメインダンサーまで来場していたのはすばらしいと思った。当日券があるかどうかわからないが、ぜひ観てほしい公演。

■【ハロウィン・コスチューム】コスプレ衣装フランケン・マイム

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2008年3月20日 (木)

突撃金魚『金色カノジョに桃の虫』

Kanojomomo 「突撃金魚」という劇団名の、『金色カノジョに桃の虫』という題のお芝居。今日が初日で、けっこうロングラン公演。後の予定は、

3月20日15時、19時
3月21日19時半
3月22日15時、19時
3月23日15時

作・演出:サリngROCK
於:-IST零番館(大阪地下鉄長堀橋 1番出口 北東へ徒歩5分)
http://www.kinnngyo.com/

 いくつもの対比の軸が明確で、しかもその軸が途中で絡まりあったりするのが面白く、ダイナミックな動きのある面白いお芝居でした。

 平凡なアルバイト生活をしているルミ(西原希蓉美)と一応正社員をやってるらしい彼氏(柏原。よしもとともしよ)命、化粧命のOLの沙江(なかた茜)はルームシェアをしている。ある日駅で個展のポスターを見たルミはなぜかそれに魅かれ、ギャラリーというものに初めて足を踏み入れる。そこにいたのがアーティストの鴻峰(上田展壽)と助手ということになっている妹のマリコ(横田江美)。
 徹底的に鴻峰に魅かれていくが、実のところそれは、彼のタトゥーを自分の身体に刻み込み、そのキャンバスとなることで彼の賞賛を受け、自信を獲得し、平凡な日常から脱出することを愛したからだった。
……

 みたいな感じのお芝居です。まだまだ公演が残っているので、あんまりネタバレさせられません。 奥歯にモノで、すみません。

 DV、自分さがし、化粧、身体変工、コミュニケーション障害、依存、ストーカー、などなどいろいろな問題を持った登場人物たちですが、皆が実に愛すべき存在として描かれていて、生き生きとリアリティがあります。西原、なかたという魅力的な声(だけじゃないけど)を持った女優のつぶやきや悲鳴が交錯し、見ごたえがあります。なかた茜の沙江は、かわいいアホな女で、ちょっと昔のなかたがやっていた役の雰囲気があって、懐かしいようにも思いました。
 奇怪なアーティストの上田、ルミをストーカーのように付けている鳥雄の山田将之、沙江のボーイフレンドでナチュラルに壊れていく柏原のよしもとともしよの男優陣の存在感も大きく、飽きの来る場面がありません。

 せっかくだから、エンディングで西原の歌が聴きたかったな。

 見どころは、具体的にはいえませんが、二人の関係が逆転しそうになるところで役者たちから湧き上がってくる強いインパクトです。そういう瞬間が何度もあります。そういう芝居はなかなかありません。

 ぜひご覧いただきたい。

★肌荒れ・荒れ性日焼けによるしみを防いで白桃バストに!

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2008年3月 7日 (金)

観光とアート--「関西学生アートマネジメント会議」

 3月3日(月)、神戸大学で開催された「関西学生アートマネジメント会議」に参加した。全体の模様は、神戸新聞に簡潔に紹介されているので、ご参照ください。
http://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/0000860604.shtml 
 なお、写真中央に写っているのは、ぼくです。まわりは、神戸大や静岡芸工大の学生の皆さん。

 まず基調講演は、神戸ビエンナーレ2007についての発表と、高知城で「天守物語」を上演したことについての発表で、共にボランティアスタッフとして参加した学生によるものだったので、内側からの見方が主。もう少し問題点や課題についての言及がほしかったかな、と思ったけれど、時間不足もあったか。
 それを元に、4つのグループに分かれてディスカッション(その時に写されたのが神戸新聞の写真)を行うというのが午前中のプログラム。
 司会進行の神戸大の学生が非常にうまく仕切って(仕切り過ぎかも)、淡々と進んでいった。

 午後は、ドイツのフィリップ・ボーマン氏による講演「理念と現実 ゲルリッツ大学 文化とマネジメント専攻課程のプロフィール」。
 同大学のOBで今は講師であるボーマン氏によると、東西ドイツ統一後、ドイツの芸術文化に対する助成が激減し、それに対応するためにアートマネジメントの重要性が増大したとのこと。日本の昨今の状況は、どうなんだろう?
 同大学の「文化とマネジメント専攻」(この「と」が重要であると、通訳・解説の藤野一夫・神戸大学教授のコメント)は、経済学部に所属することが特徴的であること。同専攻のカリキュラムの解説が具体的で面白く、中でも海外での学習が組み込まれていること、リガからスペインまでEU各国の大学との連携があることなど、非常に興味深かった。

 続いて、この日のメインイベント(?)、「ちんどん概論」。全国的にも有名で、全日本ちんどんコンクール7回優勝のちんどん通信社(http://www.tozaiya.co.jp/)。主宰の林幸治郎氏によるちんどん屋の歴史の講演と、演奏。幕末にさかのぼって、広告業の嚆矢としての位置づけから、時代の流れに従っての変遷と没落を、ジンタや演歌などの時代ごとの音楽の風潮を示す演奏を交えながら、実に感動的にお話ししてくれた。

 音楽業界にはヒエラルキーがありまして、頂点がNHK交響楽団と致しますと、次が立派なダンスホールやクラブのオーケストラ、劇場の専属バンド、そしてそれほど立派でないホールやクラブのバンドで、次第にみすぼらしくなって、とうとうストリップ小屋のバンドというのが、これ以上、下がないという。ところが、ストリップ小屋のバンドマンが窓から外を見ておりますと、ちんどん屋がやってきた。「俺もアソコまでは落ちぶれちゃぁいねェ・・・」(笑)。

 というような具合の、実にシニカルでペーソス漂うお話。

 ところが、そいつもいつの間にかまたまた落ちぶれてちんどん屋稼業に。すると、これまで経験したことのないようなことがある。ちんどん屋で通りを練り歩いていると、ごくたまに、「おっ、いいクラリネットだね」とか言って、ご祝儀をくれたり、演奏が終わると拍手をいただけることがある。こんなことは、ストリップ小屋でもダンスホールでも、かつてなかったことですよ。

 とまた、自虐ネタながら上げたり下げたり、実に感動的なお話で。

 最後は取って置きの、「赤城の山も今宵限り…」を、笠も刀も忘れたと笑わせながら、特製の人形を使って大熱演。この人形については、ちょっとマル秘。

 そして続いて実地研修で、六甲本通商店街へ。ここでの本番の練り歩きを、学生たちがついて歩くのだから、壮観。

 朝の9:30から夕方5時過ぎまで、非常に盛りだくさんな、充実した一日だった。

『チンドン屋!幸治郎』  林幸治郎 (新宿書房)

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