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2008年4月 1日 (火)

ブロードウェイミュージカルレビュー「TRIP OF LOVE」

シアターBRAVA!で「史上初、大阪発。話題沸騰のブロードウェイミュージカルレビュー『TRIP OF LOVE 』」トライアウト公演の、そのまたリハーサルの市民公開公演が行われた。

総合プロデューサーでブルーマングループのプロデュースなども担当している出口最一氏が奈良県出身ということもあり、大阪でのトライアウト公演が実現したそうだ。これに先立って、大阪で出演者のオーディションも行われ、このキャストには7名の日本人ダンサーも含まれている。

1960年代のヒットソングとダンス、ファッションを取り入れた、極彩色のミュージカルレビュー。『不思議の国のアリス』のアリスが'60年代にタイムスリップする(夢を見る)という構成で、ローリング60'sが華やかに繰り広げられ、後半はベトナム戦争の暗い影が忍び寄る、というドラマ。

この舞台作品は、どのような人が見るにふさわしいかを、箇条書きで挙げてみよう。

(1) '60年代のポップスがものすごく好きで、本人歌唱じゃなくてもかまわないからナマでぜひ聞きたいという人
 '60年代といわれると、さすがのぼくも全部は知らないけれど、「花はどこへ行った」(ピート・シーガー)とか「青春の光と影」(ジョニ・ミッチェル)、「イパネマの娘」(アントニオ・カルロス・ジョビン)、「Wipe Out」(ビーチボーイズ)、「夢のカリフォルニア」(ママス&パパス)、「サウンド・オブ・サイレンス」(サイモンとガーファンクル)など、名曲ぞろい。Austin Millerをはじめとする歌手は、悪くない。

(2) 誰か出演者の熱狂的ファン
 たとえば鳥居かほりの熱狂的ファンなら、彼女がリフトされたり、それなりに踊っているのを見て、うれしいだろう。ちなみに鳥居は幼い頃からバレエを習い、一時はバレエダンサーを目指していたとのこと。
 出口プロデューサーの解説によると、ブロードウェイからのメンバーは、全員EQUITY(米国演劇俳優組合)のメンバーで、一流の出演者であるとのこと。他の輸入ミュージカルで出演していた人もいるだろうから、中には追っかけをしている人もいるかもしれない。それなら、楽しいだろうと思う。スターのオーラみたいなものは、感じられなかった。

(3) ベトナム戦争の表現史を研究している人
 一応取り上げられてはいますから、カタロギングには必要なんじゃないですか? ヒロインは、愛する人を戦争に取られ、彼女の心を明るくするのはダウンタウンのネオンサイン。一方、戦場であるベトナムのジャングルでは、出撃を待つ若者たちが震えている。バックに流れるのは「サウンド・オブ・サイレンス」。このジャングルのセットが、お粗末。歌はそれなりにいいデュオ、トリオでしたが。
 なんか、無理にドラマにするために戦争を取ってつけたような感じで、しっくりは来ませんでした。こういうシリアスな歴史的事項を、とってつけてドラマティックにするという手法は、最もよくないと思います。 

(4) ブロードウェイの現状を知りたい人
 同じく出口氏の解説によると、「40の大劇場で埋まるNYのタイムズスクエアは世界の観光客で埋まり…」と、埋まりっぱなしのようですが、いえ、そこで行われるのがブロードウェイミュージカルということですから、噂には聞いていましたが、観光客目当てのショーだということなんですね。
 もちろん、その中にも、素晴らしいものはあるのでしょうが、アメリカ国内から、世界中からブロードウェイを訪れる観光客相手に、その40の大劇場の中には、歌謡ショーみたいなものをやっているところもあるのだろう、ということがよくわかった。宝塚歌劇のショーのほうが、よほど洗練されているし、工夫を凝らしているし、セットもよくできている。宝塚も団体客は結構多いし、玉石混交ではありましょうが。
 トライアウトというのは、NYで上演される前にアメリカの地方都市で公演をし、観客の反応を見ることだそうで、普通はサンフランシスコやシカゴなどで行われるもの、それを初めて大阪でやったというのが今回のポイント。
 トライアウトだけで終わっちゃうことってないのかな、と今回思いましたよ。
 この作品が、ブロードウェイでどの程度の上演回数を実現するのか、賭けをやると面白いかな。その回数で、今のブロードウェイのレベルが、よくわかるのではないかと思います。

(5) 安心したい人
 ダンスにしても歌でも舞台装置でも、ブロードウェイって大したことないな、と安心できるような気がします。
 ギターを持って歌うなら、もう少しちゃんとギターを弾けるよう練習すべきだし、外国人に和太鼓を叩かせるなら、腰の入れ方といった基本的な身体の形は教え込むべきだと思うのに、そういうことが全くなされていない。
 今日の観客は専門学校などでミュージカルを学んでいる青年が多かったようで、出口氏は、ブロードウェイを目指している人にいい刺激になれば、というようなことを言っていたけれども、逆に、ここへ行ってもどうなるんだか…と思ってくれたらいいんだけど。
 20歳前後の青年たちには、'60年代ポップス、ベトナム戦争、フラワーチルドレン、サイケなど、全然わからなかったと思うし。

(6) 暇とお金のある人
 4月4日~13日がプレビュー公演で、14日~5月14日が本公演と、1ヶ月以上のロングランで、トライアウトとして少しずつ修正や改善を加えながらブロードウェイでの本番に持っていくという試み自体は、舞台制作の形としてすばらしい、うらやましいと思う。
 夜公演は6時半開演なので、仕事帰りにも行けるかもしれない。
 S席がプレが1万円、本公演が12000円と、劇団四季並み。これがいい出来の舞台だったら、ブロードウェイ直輸入の出演者、バンドの生演奏だから、安いということになる。
 もちろん、今後、プレビューでどんどん改善され、すばらしいものになるかもしれないが、そのためには、根本的に変更しなければいけないと思う。
 デートには使わないほうがいいと思う。連れが不機嫌になるかもしれないし、熟睡するかもしれない。(今宝塚でやっているロンドンミュージカル「Me & My Girl」は、いいですよ!)
 現に、今日ぼくの隣に座っていた専門学校生らしい女の子は、前半も後半もとてもよく寝ていて、でもワンシーン終わって拍手が起きるたびに律儀に目を覚まして拍手するのが、とてもかわいそうだった。せっかくだったら、ゆっくり寝てりゃよかったのに。
 「寝たい人」って追加しようと思ったけど、そのわりには音が大きいので、時々目を覚ましてしまうと思うから、あまりよく眠れない。

↓写真は、稽古風景Tol

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» TRIP OF LOVE(トライアウト) [*Yippee!* ~いっぴーにっき~]
今日は、アニキ金本の記念すべき 2000本目のヒットを見届けた後(感動したね#63903;)、 ミュージカルを観てきました。 TRIP OF LOVE 日時:2008年4月14日(月)~5月14日(水) 場所:シアターBRAVA!(京橋・OBP) 詳細⇒http://www.tripoflove.com/ 本場ニュ..... [続きを読む]

受信: 2008年4月12日 (土) 23時36分

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