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2009年3月22日 (日)

尼崎ロマンポルノ「鉄鋼スベカラク」---うーちゃんとくまさんのお芝居談義

■尼崎ロマンポルノ「鉄鋼スベカラク」

う 孤島に続く言い伝えと製鉄所の火災事件を絡めて、双子の姉妹の複雑な感情、妹の恋人だった男の謎解きを軸に、エネルギッシュに跳ね回った、尼崎ロマンポルノっていう劇団の「鉄鋼スベカラク」(作・演出=橋本匡。3月4日、精華小劇場、大阪)。これもまた若い役者さんのスピードと熱さで、すごく力強い作品だった。

く わりとややこしいのが好き?

う うーん、多少破綻というか、つじつまの合わないところを無理やり押さえ込んでいるようなところがあっても、スケールの大きなお芝居のほうが好きかも。恋人だった男・法助(堀江勇気)の謎というのも、後に彼が新聞記者になって製鉄所の火災の真相を突き詰めようとするということなんだけど、火災のさなかに彼自身が成美(寺本多得子。桃園会)を殺したというシーンがあって、それが現実なのか妄想なのか曖昧にされていたりするんだよね。そういうことを踏まえて、堀江さんの尖鋭的で狂乱した姿が、すごくカッコいいの。

く 舞台美術がすごかったんだって?

う サカイヒロトさんのメタルをたくさん使った、廃墟みたいな舞台ね。しかも四面客席。中央には川のように堀割があって、そこに鯉がいるとか言われるし、車のついた櫓のような大きなオブジェがゴロゴロと進んできたりという動きがあるし、客席を突っ切って役者が縦横に駆け抜けるし、ダイナミックな舞台だった。

く それをうまく使いこなしていたの?

う うん。スピード感が必要な時の疾走については、すごくうまく機能してたと思うし、道に迷うような感覚、どの道を選んでも相手が出てくるという繰り返しの表現には、すごく助かってたんじゃないかな。でも、櫓のようなものに何を乗せて、どうやって奉るような対象にしていくかというところでは、ちょっと説得力が弱かったかもね。照明でももっと工夫できたかもしれないけど、天井が低いのに櫓はきつかったんじゃないかな。

く もっと高いほうがよかったということ?

う それもあるね。製鉄所の高炉の鉄塔というには、ちょっと無理があったかもしれないね。作者の橋本さんは、神戸の酒鬼薔薇事件とか、実際にあった事件や現実社会の暗い部分を基にして複雑なお芝居を作ってきたわけだけど、今回は特に完全なフィクションということで、橋本さんの志向、嗜好がはっきりと出たのかもしれないよね。櫓には聖なる存在ばかりが乗るわけじゃないけど、それを求めることで、法助の罪意識を強調もし、浄化までは行かないんだけど、それが予感されるようなところまでは行ったんじゃないかな。スピーディな動きが強調されるお芝居の中で、しずしずと櫓が出てくるところは、ちょっと時間の流れが変わったわけだし。

く それははっきりと対比されてたの?

う そういう感じじゃなかったね。聖と俗とか、彼岸と此岸とか、そういう世界がはっきりと対比されていない、っていうか、世界はそうはっきりと分けられるものじゃないということが伝わってくるような、混沌だったと言っていいんじゃないかな。宙ぶらりんにしておくことに耐える姿勢っていうのかな。そういうのが、ぼくはこの劇団の、橋本さんの作品の魅力だと思うよ。

尼崎ロマンポルノ=http://www.amagasaki-rp.com/

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