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2015年3月28日 (土)

兵庫県立西宮今津高等学校 「1枚の風景画から 高校生 学びの旅」展

14日 
「1枚の風景画から 高校生 学びの旅」展~昭和42年に描かれた『西宮十六景』からはじまる探求の旅・記録集
西宮市民ギャラリー(香枦園)

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 西宮今津高校の「美術鑑賞研究」の受講者4名、美術担当の浅野吉英先生、その他西宮市の関係機関が協力して、50年以上も前に西宮市ゆかりの錚々たる美術家が西宮の風景16ヶ所を各々の技法で個性を発揮して描いた作品を題材に、生徒たちがその描かれた場所や画家について調べた成果発表で、十六景の原画と高校生が調べたパネルを中心に展示した。また、ふだんの授業で取り組んできたこと、その成果も展示され、その授業が創意工夫を凝らし、充実した成果を挙げていることがよくわかった。
 十六景と画家は、以下のとおり。

石橋繁雄「砲台跡」       伊藤慶之助「甲山」
今竹七郎「西宮インターチェンジ」
大石可久也「武田尾温泉」  大田昇「鷲林寺」
亀井貞雄「酒蔵風景」     亀高文子「満池谷睡蓮池」
河野通紀「阪神パーク夜景」 須田剋太「夙川堤」
谷中茂「北山公園」       津高和一「甲子園球場」
土岐国彦「広田神社」     中田耕嗣「山口盆地」
藤井二郎「蓬莱峡」       松井正「ヨット・ハーバー」
渡辺一郎「西宮神社『山門と練塀』」

 昭和42年、1967年というと、昭和も昭和、いざなぎ景気、東京オリンピックを終え、大阪万博を控えたよき時代である。十六景の中にも、自然の風景や伝統的な文化財に混じって、インターチェンジや阪神パークがあらわれている。平成生まれの高校生にとっては、やっと両親が生まれたかどうかというほどの時代だろう。彼らにとっては、阪神大震災すら、生まれる遥か昔の出来事だ。

 調査の深浅にはばらつきもあり、個々の興味の所在が絵画に重点を置くか題材の風景のほうかというのもいろいろあるように見えたが、見ごたえのあるのは、やはりこの「探求」の「旅」を通じて、人と出会い、交わる機会を得た工程だ。たとえば、松井正(1906-1993)「ヨットハーバー」を担当した山口君は、現地に行ってみると阪神大震災によってヨットは新ヨットハーバーに移ってしまい、大きな橋と埋立地しかなかったのでがっかりしてしまう。お店の人も若者ばかりで当時のことは知らなさそうだ。困って、浜で清掃活動をしているおじいちゃんに尋ねてみたら、「ここは、この絵の場所だとわかり、なんと、すぐ近くに当時からある会社があるという」、と文章が跳ねている。西宮アリーナという会社の現役ヨットマンである諏訪社長に話を聞いて、「僕のワクワクは最高潮に達した。あぁ、これが本当の調べて学ぶということなんだなぁ、と身に染みて感じた。たぶん、僕はこの感覚を、一生忘れない」と。

 このような機会を得て、人と交わることの喜びを知った生徒は幸せだなと思うと同時に、若い生徒が一枚一枚扉を開いて次のステージに上がっていくのを目の当たりにできることの喜びも感じられた。このように、教育の現場を開くことで、思いのほか様々なものや人や情報が集まってくるのではないか。

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