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2015年5月 9日 (土)

ダンス留学3期生成果上演

3月14日

上野愛実『under』
  出演:新家綾、貫渡千尋、定行夏海、成田果央、藤原美加
長屋耕太『余白に満ちたかはたれとき』
  出演:岩間華奈子、武内浩一、中間アヤカ、長屋耕太

ArtTheater dB神戸(神戸市長田区)

 1月10日のショーイング公演で、4作品の中から選ばれた2作品を、1時間の「フル・レングス」に拡張して上演するもの。「国内ダンス留学」の恒例となっている。

 あまり創作経験のない若手に1時間の作品を創れというのは、冒険であり、いささか酷なことだ。しかも、最初20分創ったものを延ばすというのは、一般的な作品の創り方から言っても、あまり望ましくないように思える。もちろん主催者はそんなことは百も承知の上で、あえて「留学生」たちに「とりあえず何がなんでも1時間」という負荷を与えているのだから、負荷をどのように担ったかを見るのがこの公演の見どころで、残酷なものだ。

 結果としては、予想通りともいえるのだが、1月に完成度の高かった長屋のほうが苦労したように見えた。繰り返しになることは省略するが、上野はシンプルでミニマムな要素に拘泥する思いを、強さとして積層できたように思う。つまり、1月の段階を中間地点として、その延長上に今回にいたる作業を行うことができたのではないか。

 それに対して、長屋は前回で既にかなり高いレベルまで達していた完成度や読み込みの深度を、2ヶ月でさらに深めるか、またはいったん白紙に戻すか別のテーマを立てるかして再構築するかということがテーマになったように思われる。そうしなければ、前回よりもボリュームのある作品に仕立て直すことはできなかったはずだ。

 その作業を行うには、2ヶ月という期間は短すぎたのだろう。前回と同じ地点で立ち止まったり、その場でぐるぐると回っているような印象がある。言葉は悪いが、その停滞を逆手にとって、開き直ればまた別の位相が開けてきたように思う。とても大きな思考と作業の量が必要になる作品過程だったと思われるので、できれば再度時間をかけてチャレンジしてもらいたい。

 ダンサーでは、貫渡千尋が1月とは見違えるような粘りや深みを見せ、よかった。留学生メンバーではないが、定行夏海の内的速度、存在感がすばらしかった。岩間華奈子には、内部に何らかの壊れを抱えることができるダンサーになってほしい。

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