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2015年5月 9日 (土)

チューリヒ美術館展~印象派からシュルレアリスムまで

3月4日

チューリヒ美術館展~印象派からシュルレアリスムまで
神戸市立博物館(神戸市中央区)

 19世紀後半から20世紀初頭までと、時代を短く区切って、チラシのコピー「圧巻 すべてが代表作!!」を裏切らない名品揃いの74点の展示となった。近隣の飲食店とのタイアップ、県立美術館「ホドラー展」とのスタンプラリー、多彩なオリジナルグッズ、記念撮影できるパネルの設置など、周辺企画もバラエティに富んでいて、神戸市街の展覧会らしい華やかさを帯びているのも楽しい。

Turich


 先にホドラー展を見ていたので、ここで改めてホドラーを見ることで、印象派や表現主義とホドラーの時代的・美術史的位置について考えることができ、ホドラー展の観覧体験が広がり、深まったことが新鮮だった。また、エコールとしては、ゴーギャン以下、セリュジュ、ボナール、ヴァロットンといったナビ派がクローズアップされていたようだったのが新鮮。ナビ派が追究した秩序性が、ホドラーのパラレリズムにも影響したのだろうか、などと想像をめぐらすのも楽しい。

 一館のコレクション展でありながら、個々の作家の作品が数点ずつ取り上げられ、優れたキュレーションによって、ある時代に対して強い問題意識を持って見ることができたのが、意義深かったと思う。特にポスト印象派以後、フランスとドイツの二つの文化圏で勃興した様々なエコール、イズムをパラレルに概観することができたのは、スリリングだった。

 セガンティーニ(1858-1899イタリアの画家、アルプスを描いた作品で知られている)、ホドラー(1853-1918)をはじめとするスイスの作家、特にフェリックス・ヴァロットン(1865-1925)がよかった。版画家として名を成した作家のようだが、風景画はホドラーとはまた異なって、平面性の中に深い精神性を感じることができる静謐な空間だ。「日没・ヴィレルヴィル」(1917)の水平線の直線と海岸の曲線のコントラストと調和は、非常に美しく絶妙。

 一方で、「訪問」(1899)など、演劇のシーンを思わせるような人物像も、背景のドラマとその場面の前後を想像させる物語的な構成が秀逸で、目を引いた。
 
 またアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)の精選された作品については、その「細さ」を四囲から眺めることで堪能でき、奥の深い面白みを発見させてくれる、工夫を凝らしたインスタレーションだったと思う。     

 その他シャガールの大作が数点、ゴッホ「サント=マリーの白い小屋」(1888)の明るさ、セザンヌ「サント=ヴィクトワール山」(1902/06)の明晰、ココシュカの陰惨さ、など、印象に残る作品が多かった。
(作品の画像は、http://zurich2014-15.jp/artworks/)

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