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2015年5月 9日 (土)

「TEN」 10人のダンサー&いずみ太鼓皷聖泉

3月20日

演出・構成・振付:原田みのる

和泉シティプラザ(和泉市)

 ぼくはあまり和太鼓というものの響きが好きではないようだという好悪は別にして、もっとシンプルにひねりなく、いずみ太鼓皷聖泉とTENダンサーの二部構成にして、そのブリッジとして両者のコラボレーション作品をはさむ、という程度にしておいたほうが、よほど見やすい公演になったと思う。

 もちろん、様々な条件、要望、制約、しがらみがあったことは予想できるし、演出・構成を担当する以上、何か野心的になるということもわかるのだが、ある時点でそれは諦めたほうがよかったのではないかと思ってしまう。そういう「惜しい」公演だった。ただし、ぼくは昼に行われた公開リハーサルを観ただけなので、夜の本番のクオリティはわからない。そこはご容赦いただきたい。

 ダンスの部分については、主要なダンサーが10人集まったということと「天」をかけて、「TEN」というタイトルになったようだが、バレエ、モダン、ヒップホップと様々なジャンルのオールスタイルのメンバーで、様々なダンスをミックスしたダンス・ショーとなった。一貫した流れを持った公演というよりは、プログラムにもあったが「我らの声を『天』に届ける」という方向性をそろえようとしたものだったようで、その点においてはすべての演目、出演者が方向性を一にしていたといえなくはない。だから個別のシーンごとに個々のダンサーなりの魅力を味わっていればよかったのだろうが、構成の手が入っているものだから流れやストーリー性を汲み取ろうとしてしまい、やや苛立ちを覚えることになる。

 そういう思いを抱えながら、原田と本間紗世のデュエット「報われぬ恋」が始まってしまうと、これはやはり魂が吸い取られてしまうような魅力を感じて、たまらない気持ちになる。その懸隔は、何なのだろう? 本間がキレと同時に柔らかさをそなえ、佇まいで語れる存在感を帯びていたのがいい。つまりこういうダンスの魅力は、ダンサーの存在が時間つまり物語を持つことができるということで、その抒情は、踊れば踊るほど増し、どんどん透明化していく。そういう透明化する時間を、ヒップホップは持つことができるのだろうか。

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