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2015年7月13日 (月)

サーチプロジェクト「ニュー“コロニー/アイランド”~“島”のアート&サイエンスとその気配」~仮設空間 中之島粘菌都市 ネットワーク仮想空間

4月4日

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 「生物物理学の研究者、建築家ユニット、メディア・アーティストの異なる専門知と固有の感性を横断しながら展開される」というふれこみの展示で、非理系の人間には概要をつかむまでにずいぶん時間がかかったのだが、「粘菌」という言葉を手がかりに、明示されてはいなかったようだが中沢新一の『大阪アースダイバー』の考え方を思い出しつつ、それらの概念把握の相似性、フラクタル性を、この人たちは楽しんでいるのだろうなぁと、理解しきれないながらも想像することはできた。
 まだるっこしい言い方で申し訳ないが、到底この前提となる知識や、そこからこのインスタレーションに立ち上がるプロセスを把握したとは言えない。けれども、島という固有性、それと類似性を持つ「コロニー」という概念の多様性の中から生物や細菌の集落を想起、そして単細胞でありながら迷路的な動きをとる粘菌や茸等の菌類……そういう粘りのある飛躍が面白く、その中に神社まで出てくるものだから、これはかなり遊戯的/飛躍的思考を楽しんでいるのだろうなと想像できた。
 プロジェクトメンバーは、理学、電子科学、建築、芸術という様々な専攻分野から集まってきているのだが、もしかしたらそこに「芸術」という視点がなければ、このように一つの展示とはならなかったのではないか。
アーティストの一人yang02は、身体性を伴った文字表現や、公共性などを主なキーワードに、デジタルメディアを基盤とした研究・制作活動を展開、人間の身体性を感じさせつつも、シンプルな仕組みで複雑な結果を生む“Bot”を基本コンセプトに共同制作を継続している。
また、稲福孝信は、自作のソフトウェア/ハードウェアを用いたインスタレーションやパフォーマンス作品などを制作し、プログラマーとして他作家のサポートや舞台制作、Web サービスの開発などにも携わっているそうだ。
この二人の経歴を見ても、コンセプトを形にして見えるようにすることが、この企画の主眼であったように思える。
 ゲニウス・ロキ という言葉がある。「ある場所の特有の雰囲気」や「土地柄」という意味で使われているようだ。大阪の中心部に位置する島である中之島を、川との関係において、長い年月の間の変遷を流体的に捉える時、人が紡いできた歴史的経緯だけでなく、生物が営んできた生理学的地政とでも呼ぶようなものがあって、それを鎮め慰めるためにも神社のような存在が必要なのだろうと思え、刺激的だった。

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