« 関西学生舞踊連盟「CONNECTION」 | トップページ | 土田ヒロミ写真展「砂を数える」 »

2015年8月11日 (火)

gallerism in 天満橋

2015.5.4.

京阪シティモール(大阪・天満橋)
 関西の複数の画廊が、おすすめのアーティストを出展するもので、そもそも1983年に中之島の大阪府立現代美術センターで「大阪現代アートフェアー」としてスタート、1993年に「画廊の視点」と発展的に改称、2004年には「gallerism」と改称して2011年11月まで大阪府立現代美術センターで実施(途中で谷町4丁目の府庁そばに移転)、2012年3月の同センターの閉鎖後は府立江之子島文化芸術創造センターには移らず、2013年から京阪シティモールに会場を変えて開催している。紆余曲折の歩みである。

 結果として、府立の施設から民間の商業施設に移ったことは、画期的なことと言えるだろう。作品やグッズの販売が可能になっていることが大きい。画廊が主催しているのだから、販売ができることは当然だし、現代美術の享受を考える時に、鑑賞-購入というプロセスは不可欠のものだ。風通しがいいし、全く現代美術に興味のない人の目に触れる可能性が高まる。

 印象に残った作家は、原千草、東清亜紀、梅澤豊といったところ。特に原千草は、淡さの中に強さのある色調が魅力的で、今回出品されていた小さな立体も、サイトスペシフィックなコンセプトもあり、空間とよくなじんで愛らしかった。「くじらのいちぶ」というコラージュ作品によるコンセプトワークが紹介されていたが、小さなコラージュ作品を創り続けていって、千も二千にも一万にもなって、いつか作品をもう一度回収して大きな「鯨」として展示できたらいいなという、壮大かつ愛らしいものだ。断片であるのではなく、集合体を前提として意識しているようで、興味深い。http://whalepart.tumblr.com/

Hara4661


 東清の「ムニ」ちゃんと名づけられた個性の強い人形は、その大きさで空間の中の存在感が大きく、グロテスクなかわいさに、否応なく目が留まる。ワークショップも開催されていたようなので、パフォーマンスもあったのかもしれないが、ムニちゃんを頭からかぶって難波の街に繰り出したり、住之江区の行事に出たりと、思い切ったこともやっているようだ。「ムニ」とは唯一無二から。キャラクターではない、個別性をもった存在であることを強調しているらしい。

Tousei01


 梅澤豊は鉛による立体と、映像を組み合わせて、耽美的な印象が残る作品を見せた。次頁写真は「夢想花」という作品で、アニメーションは河野亜季。鉛で精妙に造形されたチューリップが作る花輪の中に、カルデラ湖を思わせるような深い青が湛えられ、そこにチューリップがゆっくりと開花する映像が流れる。時間と空間の広がりと深み、流れと静止が感じられ、長い間見入っていた。

Umezawamigi


 アトリエ創佳舎、ユウの家と、障がい者施設からのエントリーがあり、いわゆる健常者の作品と同じ地平で見ることができたのが面白い。先入観なく見て、魅力的な作品が多く、現代美術がボーダーレスであることも再認識できる。「障がい者アート」というような区分を軽やかに超えてしまうようで、今後の展開が楽しみだ。

|

« 関西学生舞踊連盟「CONNECTION」 | トップページ | 土田ヒロミ写真展「砂を数える」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: gallerism in 天満橋:

« 関西学生舞踊連盟「CONNECTION」 | トップページ | 土田ヒロミ写真展「砂を数える」 »