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2015年8月11日 (火)

游ぐたらこマッチョ「ビックテープ」

2015.5.8.

近畿大学文芸学部舞台芸術専攻 新入生歓迎公演

 作:田中ひかり、 演出:游ぐたらこマッチョ
 出演:安部ひかり、田中ひかり、平松七海、吉本尚加

近畿大学EキャンパスD館 演劇実習室

Bictape


 育ての親である恩師の元を離れ、旅するボッチが何ごとか~おそらくは本当の愛とか~を発見するシンプルな物語。未来の宇宙時代の設定としながらも、しっかりと人間のあたたかさや愛の強さを受け取ることができ、終盤では愛を送る人の自己犠牲に犠牲になった娘の哀切も描かれて、素材としてなかなかよくできた作品だったと思う。そのようなヒューマンなストーリーが、閉じられた空間で展開するのではなく、スケールの大きな旅の形で進んでいくのが、軽快でよかった。

 演技については、クレジットを見て想像できるように、特定の演出家を一人置くのではなく、メンバーの共同作業として行なわれたようで、個々の演劇的体験に基づくそれぞれのノウハウを持ち寄る形になったのではないか。同学年でもあり、誰か一人が突出して指導的立場であることも難しかっただろう。そのために、舞台全体にピンと張り詰めるような同質のトーンを感じられない部分もあり、惜しかった。といっても、ボッチの吉本の全身を投げ出すような好演、娘を演じる時の田中の哀切など、個々のうまさは実感することができ、楽しみに思える。

 今後もし、このような形での創作を続けるのなら、劇団青い鳥のような道を歩むことになるのだろうが、主体的かつ意識的な共同演出という方法論を追求、確立する必要がある。相互的な複数の他者性を演劇に持ち込んだときに、劇空間の関係の中でどこに着地点を見出すか、面白い実験になることだろう。

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